出店者名 白昼社
タイトル 花むすめものがたり
著者 泉由良
価格 300円
ジャンル 詩歌
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紹介文
「少女詩集」というただその単語に憧れて作った、
「少女」の「詩集」


花むすめは、花を食べます。
花は、食べればきっと、苦いのです。

手製本38頁A6判。

 

   ディア・ガールフレンド

 川べりの道は芝生の匂い
 すこしだけ混じる水の匂い
 鼻の奥に突き刺さる曇りの空気
 深く吸ってそっと吐いて

 こころが触れたと思ったのに
 流れてゆく 流れてゆく
 彼女と私も流れてゆく
 微笑みあった瞬間まで色褪せるのかしら

 ここで待っているからね
 ちいさく歌いながら
 あの朝の笑顔だけは嘘にしないで
 手を繋いで眠った夜は嘘にしないで

 ここで待っているからね
 私も流れてゆく 流れてゆく
 でも貴女の場所は私の胸のなかに
 ずっとある

 川べりの道は芝生の匂い
 すこしだけ混じる水の匂い
 鼻の奥に突き刺さる曇りの空気
 深く吸ってそっと吐いて
 待っているからね