一千一夜 第3回 文字をぬすんだ男 昔あるところに、シズリーンという男がおりました。彼は学を知らず、日々ひたすらに荒れ地を耕しておりました。あるとき、シズリーンが旅人を家に泊めましたところ、彼の水筒に不思議な繰り返し模様があることに気がつきました。これはいったい、何ですか。聞いたところ、旅人は気前よく答えました。これは文字です。
人魚姫 前略、私は先日貴方に助けていただいた人魚です。一年後には泡になる予定です。私の足を人間のものに変えた魔女には、貴方と婚姻できれば死なないと言われましたけれど。近隣諸国との関係の観点から言えば、貴方はアスタ国の王女と婚姻を結ぶ可能性が非常に高い。それを邪魔してまで自分の命を得ようとは思いません。ですから、私が生きている間に、私を食べてください。健康で長生きできるようになります。人魚は手紙を握りしめて、王子に渡しました。
語開発機構 お世話になりまぁす、私、物語開発機構のス、エ、ナ、ガ、と申しますぅ。どうか末永くご愛顧賜りますよう……えっ? 呼んでない? おかしいですねぇ。GPS依拠で、こちらのお宅からご依頼頂いたんですけれども。
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