出店者名 バイロン本社
タイトル 吸血鬼映画 Chaotic Catalog vol.1
著者 宮田 秩早
価格 300円
ジャンル 評論
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紹介文
これまでの人生で収集した吸血鬼映画160本以上を、情熱を込めて紹介する冊子の第一弾。
キャスト情報・結末まで掲載されたあらすじ・吸血鬼映画的見所・関連作品情報掲載!

A5/52ページ

収録作品

「吸血鬼ドラキュラ」
「血とバラ」
「ロマン・ポランスキーの吸血鬼」
「マーティン」
「ノスフェラトゥ」(クラウス・キンスキー主演)
「死霊伝説」
「咬みつきたい」(緒形拳主演)
「ブレイド」
「トワイライト」
「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」
「Dracula」(ジョナサン・リース・マイヤーズ主演TVドラマ:日本版未発売)

「血とバラ」
 原題:Et mourir de plaisir
 1960年製作(仏)
 日本版はVHSのみ海外版はDVDあり。
 監督:ロジェ・ヴァディム
 脚本:クロード・ブリュレほか
 原作:ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ
『カーミラ』
 レオポルド・カーンスタイン:メル・ファーラー
 ジョルジア・モンテベルディ:エルザ・マルティネッリ
 カーミラ:アネット・ヴァディム
 ジャンル:幻想芸術/ホラー
 時代背景:1960年代イタリア・ローマ

『あらすじ』
 《「科学万能の世の中で、心霊を信じますか?」というモノローグが入る。》
 カーンシュタイン家のレオポルドとジョルジアの婚約パーティが間近に迫った日。
 レオポルドとジョルジアは、仲間内の打ち合わせで、婚約パーティを盛大に行うべく、花火をあげる企画をする。花火師は修道院跡に花火を仕掛ける提案をするが、その場所にはカーンスタイン家の吸血鬼、ミラーカが眠るという伝説があった。
 レオポルドの幼なじみのカーミラはレオポルドに思いを寄せており、その容姿は広間の肖像画にある伝説のミラーカにそっくりである。
 そしてカーミラと同じようにいとこに恋をし、おのれが死んでしまった後も、自分以外の女性といとこが結婚することが許せず、いとこがめとった妻を次々に殺していったミラーカの思いが、カーミラに憑依する。
 ミラーカに憑依されたカーミラは、婚約パーティの夜、ミラーカの白いドレスをまとい、修道院跡へと彷徨い出すのだった。
 折しも花火師の仕掛けた花火の火が、修道院跡に隠されていたナチスドイツの爆薬に引火、大爆発が起き、修道院跡にあった秘密の墓所の扉が開く。
 カーミラは墓所に安置されたミラーカの棺に触れ、その封印を破ってしまう……

『物語のあれこれ』
 原作はレ・ファニュの「カーミラ」ということになっていますが、時代背景もシナリオも、だいぶ違います。
 原作では、カルンスタイン伯爵夫人マーカラが、自身の墓所から抜け出し、ほかの貴族の家庭で庇護を受けながら、その家族の娘の血を吸って仲間を増やしてゆく物語です。
 ただし、原作にある「あなたは私のもの。絶対に私のものにするわ。あなたと私は、いつまでもひとつですわ」(亜紀書房「女吸血鬼カーミラ」永井那智子訳)この台詞は、本作「血とバラ」では、「ロジェ・ヴァディム解釈」で見事に表現されています。

《後略》