出店者名 鳴原あきら
タイトル 美少年興信所
著者 鳴原あきら
価格 800円
ジャンル JUNE
ツイートする
紹介文
汚い大人の欲望に弄ばれそうになっていた、巧駿介。
彼を救い出してくれたのは、叔父の興信所で助手をつとめている大学生、吉屋鷹臣だった。
巧は少しずつ鷹臣にひかれてゆくが、鷹臣は憂いを帯びた表情で、その想いをはぐらかす。実は鷹臣には、つらい過去があり――。

よるべない子どもたちと、孤独な大人たちの恋愛模様を、シリーズで描いています。

有名な作家の手によるにもかかわらず、同性愛要素のあることを無視されがちな作品を下敷きにしています。BLミステリであるとともに、堅苦しくない文学案内としても楽しんでいただけます。第一巻では川端康成、宇野浩二、菊池寛、谷崎潤一郎その他を扱っています。

ツイッターでいただいた感想はこちら。
https://togetter.com/li/970598

 第一話「眠れる美少年」

「いらっしゃいませ。あいにく所員はみな出はらっておりますが、もしかしてお約束がございましたか」
 そういいながら内鍵を外したとたん、扉のすきまに黒い革靴が割り込んできた。
「ないが」
 その筋の人間のような、太い縦縞のスーツを着た大柄な中年男。かなりアクの強い声で、それでもなかなか慇懃に、
「今の門馬さんは、飛び込みの客も受け付けないほど繁盛しているんですか」
 鷹臣の背筋がのびた。
 いきなり叔父の名が出た。飛び込みの客どころか、これはたぶん知り合いだろう、本人を呼ばねばならない。
「門馬は外出しております。連絡をとってみましょう」
 鷹臣は急いで携帯にかけてみたが、どういうわけかつながらない。どこの地下で打っているせいか、それとも尾行中のエレベーターの中かはわからないが、とにかく電波が届いてくれない。
 男はソファに勝手に腰を降ろして、
「いや、本人がつかまらないのなら、結構。あなたに用件を伝えますから、伝言してください。メモの準備を。それから、ビデオの電源を入れてください」
「えっ」
 確かにテレビとビデオはあるが、客に準備しろ、といきなり命令されたことはない。強引な、と思いながらも、鷹臣は男がアタッシュケースから取り出したビデオテープを受け取った。
「かけて下さい」
 有無を言わせぬ調子だ。
 鷹臣は仕方なく、テープをデッキに押し込んだ。
 ダビングしたものなのか、ビデオの映像はぼけている。音声も途中から始まっていた。
「……そして、あなたの心の安らぎに……少年はぐっすり眠っています。夜じゅう、決して目を醒ますことはありません」
 年配の女の落ち着いた声とともに、半裸の少年が映し出された。
 まだ十代前半だろうか、どこか幼さのある身体だ。ぴったり閉じた瞳をふちどる長い睫毛、すんなりと伸びた手足。ギリシャ風というか、腰にゆったりした布をまきつけている。紗のかかったボンヤリした画面の中で、その白い肌は、幻のように美しい。
「眠っている証拠を、お見せしましょう」
 そこで胸がアップになった。その上下する薄い胸板のせいで、少年の緩やかな呼吸がわかる。
 その上に突然、筆が置かれた。
 青い絵の具と、黄色い絵の具に染まった二本の筆が、少年の肌を細かく染めていく。ゴッホを思わせる丹念なタッチで、空に伸びる黄色い花を描いていく。


めちゃくちゃ面白い!
ツイッターでいただいた感想から、一部を抜粋します。詳細は紹介文をご覧下さい。


移動中に美少年興信所読んでるんだけどめちゃくちゃめちゃくちゃ面白い 
面白いし萌えるし美少年だし…(まゆみ様)

『美少年興信所』読みましたー! めっちゃ萌える!めっちゃ萌えるんです!けど! それ以上にストーリーがすごい!! 
人間関係がけっこう複雑なんですが、それを過不足なく矛盾なくそしておもしろく!書ききっていてすごいなあと思いました。そして表紙かわいいですー赤いスニーカー萌え。(壬生キヨム様)

『美少年興信所』読みました。探偵ものってこう、読むときに注意力が必要で調子のいい時しか読めないのですが、とても面白く読みました。一つ一つのお話が、文学作品になぞらえられているのも素敵だな〜と思いました。鷹臣さんと駿介くんの関係が折口信夫と養子っぽさを醸し出していたり、平井準一って登場人物がいるんですがもしかして乱歩×岩田準一…?とか、文学モチーフがそこかしこにちりばめられている、物語の本筋だけでなくちょっとした演出も楽しめる物語でした。おもしろかったぁ!
「美少年興信所」ってすごくいいタイトルだなあ
タイトルからして、これはけしからん本です(ΦωΦ)美少年!興信所!ミステリ仕立て、そして文学好きにはたまらないよみごたえたっぷりのボーイズラブ!(孤伏澤つたゐ様)

「美少年興信所」散りばめられた人物やできごとが華麗にに収束する快感!ほんとおかわだ的にはすみからすみまでド性癖で…。鳴原さんの書かれる知的で色っぽい青年が大好きなのです(本作だと鷹臣さん、「それから」だとアンドーくん)。レズセッなシーンもドつぼです。(オカワダアキナ様)

満を持して読み始めたら期待通りにすごい面白いのでむちゅうになっている。上下巻大人買いしておいたわたしえらい それぞれに住処を追われた蠱惑的美少年と翳りのある文学青年が探偵事務所に身を寄せ合って、背景の大人たちは惚れた腫れたの古傷を負っての追いかけっこの最中という… (高梨來様)
推薦者鳴原あきら



推薦する
お名前
メールアドレス
推しコピー
推薦文(1000文字以内)

セキュリティ文字 「あまぶん」と入力してください