出店者名 月刊さかな
タイトル 楽しさと惰性
著者 そらとぶさかな
価格 300円
ジャンル エッセイ
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紹介文
知人 『さかなさんは、どうしてイベント参加してるの?』
さかな『そうですね……楽しさと、惰性ですね』

そんな会話から始まった、イベント参加についてのエッセイ集。
オリジナル文芸作品の即売会に参加を始めて早数年、その経験を赤裸々に盛り込みました。

「どんな準備してるの?」「費用はどれほどかかってる?」「実際どれぐらい売れるの?」
という事柄も載ってるので、イベントに出てみたいので雰囲気が知りたい、という方にもオススメ。

小説を書く事についてや、イベント参加を続けるうちに抱くようになった気持ちなど、
イベント参加してる人にとっては『あるある…!』な、切ない話も入ってます。

【目次】

◆切ない。
◇もうかる話、ありませんか?
◆ジョージさん
◇さかなについて思うところ
◆奥が深い!
◇電車のなか
◆メガネ
◇女子という生き物がおりまして
◆楽しさと惰性
◇もうかる話、ありませんか? PART2
◆切ない PART2
◇祭りの後


【試し読み】

◆切ない。

 まずはこの一言だ。
 例えば、売れない時。隣のブースでは順調に本が売れているけど、自分のブースには長いこと誰も近づいてこず、ぎこちない静寂のなか一人座っているような。
 それとか、イベント前日に一分一秒を争うコピー製本戦を繰り広げている際、ふとスマホに通知が来て、友人が楽しげな旅行の写真をアップしましたと書かれていた時のような。
 あとは、片づけの時間になって、本をキャリーケースに詰め込んでいる時、その日の朝から減っていない重みをずっしりと手に感じる時。それを、出来るだけ早く、人に見られず片づけたくなる気持ち。
 イベントにまつわる記憶は大なり小なり切なさを伴っている。
 人から「なんで即売会に参加してるの?」と訊かれる時は、まずこの切ない印象を思い出す。
 ほんと、なんで自分は参加してるんだろう。と思う。
 しばし切なさを凝視してみた結果、回答として浮かんできた言葉。
 それが「楽しさと惰性」だった。