出店者名 ペーパーカンパニー
タイトル ほどけないで
著者 正岡紗季
価格 200円
ジャンル 恋愛
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紹介文
濡れ場ありのR18小説。
ノオト(ノート、の音?)シリーズより第二弾。おそらく。
器用で失敗を知らない全能な、言い換えればコドモな松本が主人公。
縛られて意思を捨てれば平和、流される方が楽だという繭子に、それは違うと松本。
「おれが縛って、(軌道修正のために)叱ってあげる」
三浦俊彦推薦

「ねえ、エロい顔見せてよ」
「や」
「かわいいのに」
「恥ずか、しい」
「もっと恥ずかしいことしてあげる。ベッドどこかなー」
 芯を抜かれていた。手を引かれる繭子は、脚をもつれさせずにいるので精一杯だった。
「待って、シャワー」
「今はダメ」
「どうして?」
「いい匂いだから」
「恥ずかしい」
「恥ずかしいことするの? して欲しいの?」
 裸の繭子をベッドに座らせ、松本も服を脱ぎにかかる。カーディガンのボタンを外しながら、からかいの言葉を向けた。
「やーらーしー」
 繭子は手と脚で裸を隠すように、丸くなった。
「意地悪言うのが好きなんですか?」
 松本はプラム色のカーディガンをソファの肘掛けにやわらかくかけ、ネクタイをほどく。
「言うだけじゃなくてね、意地悪なの。シャワー行けないようにしてあげる」
 バニラホワイトのシャツと深いバジルグリーンのパンツは身に着けたままで、繭子の両手首を首の後ろに回した。ネクタイで適当に結んでみる。どうすれば痛くないのかほどけないのか、縛り方なんか知らないが、構造を考えればおおよその見当はつく。美大で何やっていたのかを察しろ。


これ書いちゃったんですね
多くの人が「これは私も知っている話」だけど、書かないでおこうというところを、この作者は延々と書いてしまった、という、そういう小説です。いまだになんと書いていいのか分からないんですけど、ひたすらに誠実に内的感覚を追った作品だと思います。あるよね、こういうこと、と思って読みました。
推薦者宇野寧湖