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世界とは君が生まれた日に生まれ君が死ぬ日に死ぬ物語 |
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写真も文も本のつくりも この作品をひとつの世界にしている要素です。 物語部も写真詩も ひとつの小さな全てで、ふとした待ち時間、 恐い夜、何もしたくない昼下がりに 開きたい気分になる本です。 | ||
推薦者 | 第0回試し読み会感想 |
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「あの夏の話をしよう」 印象的なタイトルと、抜けるような青空と海のまぶしいほどのコントラストが焼き付くような印象を与える、掌サイズの美しい一冊だ。 手にとって開けば、そこからあふれ出すのは美しい写真と、きらきらとまばゆくあふれ出す言葉たち。(余談ではありますが、著者である実駒さんをモデルとした「みこまさん」の登場するまんが「みこまさんの理想的就職」の中で、みこまさんがキーボードを叩くのにつれて、水晶のようにきらめく言葉があふれ出す一場面を思い起こさせます) 閉じこめられたいくつもの言葉たちにはどれも喪失の気配、戻らない「あの夏」の美しくも儚い永遠の日々が刻み込まれているかのようだ。 時は過ぎ、感じた想いも、過ごした時間もすべては流れるままに過ぎていく。すべてと共に、永遠に生き続けることは出来ない。だからこそ、わたしたちは「言葉」を、そこで得た想いを刻みつけるのだろうか。静けさの中で感じるいくつもの気配は、どこかもの悲しくも凛と美しい。 この小さな本の中に閉じこめられているのは幾人もの気配、「誰か」が見たもの、得たもの、失ったものの記憶だ。 入れ替わり立ち替わり現れる人たちとのほんの一瞬の出会いと別れ、切り取られた心象風景はポツンと胸に落ちた滴のようにいくつもの感情の色を落とし、目の前を過ぎ去っていく。 「言葉」の中ではわたしたちは何にだってなれる。どこへでも行ける。それは、こんなにも自由だ。 | ||
推薦者 | 高梨來 |