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巨人にあこがれるハチドリがいた。ハチドリは自分の巣では眠らない。寝ているあいだに何かの拍子で見ている夢が現実になったら、ハチドリはきっと巨人になるから。そうなったら、枝が折れて大変だから。だからハチドリはいつも、ケヤキの根元で胎児のようにうずくまって眠った。落ち葉のベッドでちいさな胸を上下させて、巨人になった夢を見ていた。 |
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芸術的にも高い価値がある作品です。 一枚一枚、描きこまれたハチドリの羽が美しい。 裏面も、ふと考えさせられるような絵があります。 手作りで折りこまれたという紙は、とても面白い構図をしています。 読者を、美しくもどこか悲しい世界へと誘ってくれることでしょう。 小さな誤解が生んだ、癒えない悲しみと、その果てを描いたお話です。 ハチドリは大きくなりたい、という夢を抱いていました。 大きくなることは、強くなること。 その一方で、見えなくなること。失われること… 魂はどこにあるのか、何を思うのか。歌が心に響く作品でした。 | ||
推薦者 | 新島みのる |