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柳田のり子さん「別世界」 抑制のきいた文章で語られるSF作品。「百人の女を妊娠させるんだって」という書き出しから強烈な世界観に引き込まれる。短編ながら緻密に構築された世界観が見事。「人形」というテーマからこういう作品を発想するところが素晴らしい。 匹津なのりさん「繭子さんも私も」 とにかく登場人物たちのリアリティが秀逸。女性同士のおしゃべりが本当にリアルで、懐かしくも切ない気持ちになる。さらりと書いてあるけれど「私」の心の状況はなかなかに過酷。でもお話そのものが大好きだった旧友みたいな、不思議で愛に溢れた作品。 西乃まりもさん「弔う火」 美しく妖しく、世界観の際立つ作品。そういう「人形」であったか!と嬉しくも驚かされる荘厳なラストが本当にお見事。人間の持つ業や執念、そんな恐ろしいものに思わず魅入られそうになり、いや魅入られてしまいたいと思わせる素晴らしい作品。 杉背よい「シンギングオブ粉骨」 自作です。天才ミュージシャンハスミと紳士の人形藤井、ジャージを愛する神様のお伽話。 | ||
タイトル | 人形小説アンソロジー「ヒトガタリ」 | |
著者 | 杉背よい・柳田のり子・匹津なのり・西乃まりも | |
価格 | 400円 | |
ジャンル | 大衆小説 | |
詳細 | 書籍情報 |