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しゅわっと溶ける。ぜんぜん違うんだけど、中高生の頃大好きだった稲垣足穂を思い出した。 | ||
タイトル | 地獄に落ちる為の26のメソッド! | |
著者 | 弍杏 | |
価格 | 400円 | |
ジャンル | 詩歌 | |
詳細 | 書籍情報 |
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大人というのは子供に見栄張ってがんばる生き物でなければならないというのが第一の感想。 先生群と生徒群。まだ未知のものとかつてそうだったものの対話。現実と幻想の対話。本音と建て前。 聖羅は自分の事がわからない、他人のこともわからない。わからないなりになんとかなってきてしまっている。けれどそれを平穏だと自分を騙せず、ついに1歩踏み出す。踏み出し方がふるってる上にナナメ上で、着地がうまくいったのは本当にラッキーとしか言いようが無いけれど期待は確信になる。ここから彼女の再生はスタートするのだと。 幻覚と(自覚あるまま)話し、何度も内省を促される聖羅。けれど、それまでずっと同じ職場だったはずの職員室には友人ができ、学内の保健室には恋人がいる。同じ世界のままなのに、歩を進めれば違う様相が見えてくる。合縁奇縁といわれるもの。生真面目すぎる聖羅の、周囲との斜めな問答は、彼女を応援したくなる仕掛けであり、テーマの割に明るく読めるのはコミカルな会話劇があるからこそ。そして幻覚も夢も最初のおどろおどろしい対話から滑らかに戯画化され、決着のシーンはむしろ童話のよう。聖羅の内面の変化は聖羅の視覚の中でも姿を変えていく。 もちろん一直線にうまく行ったわけではない。行きつ戻りつ、そして外を向いたことによって友人の、恋人の、生徒の、上司の、苦しみや間違いも流れる風景から本流の中へと身を置くこととなり聖羅も傷つく。けれどそれも聖羅の糧となる。 教師として大人であり、内面に子供を引き摺ったままの聖羅という女性の、選択と成長がとても清々しい物語。 R18ですがその辺りの場面はそんなに多くないですし描写も短めなので気になる方はぜひ。 ところで(ここから素)、サディストって触れ込みだった保健室の先生はエー、むしろMだよねこの人……。 あと、個人的に《初めての友達》牧野先生にはがんばって欲しいです。応援。共依存の気持ちよさから抜け出すの、すごい決意だと思う。これも大人が子供に見せたい虚勢。空威張りでも、心は震えていても、子供に安心をあげたい気持ちは本物。聖羅さん、友達大事にしてね。 | ||
タイトル | 白蜥蜴の夢 | |
著者 | 宇野寧湖 | |
価格 | 800円 | |
ジャンル | 恋愛 | |
詳細 | 書籍情報 |
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思春期のモラトリアム、知性の継承の有り様、飛翔を刻まれた魂の連帯、生きとし生けるものの旅。SFと現実が折り重なる4つの短編集。 ナギノさんの作品は斜陽、時代の変遷がまさに目で見える『今』を生きる登場人物が多い。決断の時間は少なく伸ばした手は容赦なく打ち払われる。けれど目線はとても明るいのだ。 それは彼らに寄り添い筆を重ねていくナギノさん自身のつよさと希望が彼ら、そして作品に反映しているからだろう。 この作品群もそうだ。 描かれる人々はみな地に足着けて日々を重ねていく。それは「日々」を知っているからに他ない。 少年少女のモラトリアムと銘打ちつつも、描写は弾けんばかりの夏だ。むっとした熱気よりも木々を渡る風、家庭菜園の夏野菜、蝉時雨、悲壮なほど爽やかに夏は過ぎていく。少年と祖母との暮らしはしっかりと、祖母の教え子の少女との交流は淡くむずむずと。素人が好きなようにと少年が独白するヴァイオリンは二色三色と自在に重なる。そして少女は、少女だけは時を重ねてゆく。力強く、「あの曲」を奏でて。 知性を与えられたマシンの流転とは? 少女の飼い猫ピートと、猫が運び込まれた葬儀センター勤務のアンドロイド。『最後の時』を前に何を思うのか。個人的で蛇足な話だが、友人を亡くしたとき、火力によって変換される物質の流転でヒトは「どこにでもいて」「なににでもなれる」という状態にシフトするのだと自らを説得したことがある。そのことは常に私のなかにあって普段はそっと置いているのだけれど、まさにそこを揺さぶられた。 「彼ら(マシン)」と「我々(ヒト)」の違いはなんだろうか。魂? 感情? 実は系統樹のとても近しい枝に腰掛けているのではなかろうか。 愛機ゾキアを駆る『女神』メグ。アイコンしての彼女はスターだった。けれど求めていた世界と現実のズレ。そしてそのどちらも追えなくなった墜ちた精神と身体。それでも、言うべきでないことをこころにしまっておける(鬱積せずにきちんと消化し収められる)人で、それは彼女の生き方でもあり、自分を駄目にしない方法論を確立しているつよさだ。再び空へ戻るための願いと秘密を抱えながら人は軽やかに進む。重力の軛から解き放たれる瞬間を得に。 少年は夢に生き、少女は夢を推進力にかえる。そんな短編集。 そしてようそろ!旅はまだまだ続くのだ。 | ||
タイトル | ヴェイパートレイル | |
著者 | 凪野基 | |
価格 | 300円 | |
ジャンル | ファンタジー | |
詳細 | 書籍情報 |
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主人公である魔女っ子由香奈の投げやりなツッコミが冴える、 グタグタ法廷対決。 きちんとした法知識が前提にあるのに、ここまでグダグダになれるとは……という「お約束」に満ち満ちた描写。そして隣のお兄さんとの淡いあれや駆け引きや、同じクラスの男の子も、あーこれ2期物として途中途中のアレだ、と。だいたいゲラゲラ笑ってました。 それでも由香奈がリーガルユカナになって渡るギリギリの橋はすんごく真っ当に「信じること」を掲げていて、このあたりも「お約束」で素敵。魔女っ子はそうでなきゃ。 「お約束」回ネタ、まだあるようなのでお待ちしてます!なんか懐かしかった(笑) | ||
タイトル | 魔法のひまわりリーガルユカナ | |
著者 | 小高まあな | |
価格 | 500円 | |
ジャンル | ライトノベル | |
詳細 | 書籍情報 |
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じんわりと、静かなファンタジー。 現実と幻想の狭間の、いざないと決意。軽薄そうに見えて、でもそこにあるのは確かに繋がり。 いつか消えてしまうとしても、いま自らが手を離す理由にはならない。素敵でした。 語りも、コミカルさの中に悲哀があってよかったです。 | ||
タイトル | 青い幻燈 | |
著者 | 並木 陽 | |
価格 | 500円 | |
ジャンル | 大衆小説 | |
詳細 | 書籍情報 |
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静謐で美しい。竜は孤高のはずなのにもはや地に落ちて泥にまみれている。 強く空気をはらむ翼もかちりと輝く鱗も健在なのにもうこれは竜ではないのではないかと思う。 (主に「落葉」への感想です) | ||
タイトル | はだしの竜騎士 | |
著者 | 孤伏澤つたゐ | |
価格 | 400円 | |
ジャンル | JUNE | |
詳細 | 書籍情報 |
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「航路絵描唄」が心に残りました。 過去成し得なかったことを、その時出なければどうにもならなかったものを、それでもおかえりただいまと。 | ||
タイトル | 世界万華鏡 | |
著者 | 木村凌和 | |
価格 | 200円 | |
ジャンル | 大衆小説 | |
詳細 | 書籍情報 |
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独特のルールのある「町」を舞台に女の子3人の和やかな友情がかわいらしく、それだけにエンドがつらい。 あったかくて切ない。優しい嘘は優しくない……。 装丁の統一感とか、ふわふわで内容のイメージどおりで、凝ってるし丁寧だなあ〜と感心します。 かわいいなあもう。 | ||
タイトル | ゆきのふるまち | |
著者 | くまっこ | |
価格 | 450円 | |
ジャンル | ファンタジー | |
詳細 | 書籍情報 |