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どれもこれもストレートな人形ではなく、二癖も三癖もあるものばかり。 にんぎょう。ひとがた。人の形をした、なにか。 人形と人の間に横たわる4つの物語。 「シンギング・オブ・粉骨」杉背よいさん 命を削るかのごとく作り歌うアーティストと、任され、留まり続ける人形。 失うもの何か。手に入れるものは何か。 藤井とハスミの物語ながら、神様の心中も伺いたくなりました。 「別世界」柳田のり子さん 人であって人で無い、人になりきらないもの。なりきらないことで完成されたもの。 『性』という人を語る上で必要なものを極限まで廃して、人間と人間社会の完成を目指した先の世界。コレは一つの答えであり、同時に問題提示とも感じた。 「繭子さんも私も」匹津なのりさん 着付け教室に通ったあの頃。不思議な女性達と出会う。 一つ一つの描写が丁寧で、なんとも艶めかしい。女性が何かを疑いつつも、謎のまま。 愛すこと、愛されること、終わること、終わらせること、終わらせたが故の。葛藤の物語。 「弔う火」西乃まりもさん オカタさまの声を伝える巫女・マナと、木像たるオカタさま。ヒトガタであるオカタさまと、人形のように愛らしい巫女。 人形とはなんであるか。儀式の意味。哀しいのはオカタさまか、巫女たるマナか。はたまた……。 赤々と燃え上がる炎が象徴的。 人形の魅力、人の在り方、 人形の自由さ、人の不自由さ、 人形であること、人であること。 きっと感じられる四つの物語。 | ||
タイトル | 人形小説アンソロジー「ヒトガタリ」 | |
著者 | 杉背よい・柳田のり子・匹津なのり・西乃まりも | |
価格 | 400円 | |
ジャンル | 大衆小説 | |
詳細 | 書籍情報 |